すきっ歯で前歯だけ矯正することは可能?ほかに治療法はあるの?など、正中離開の治療についてご説明します。
すきっ歯の人は、笑って歯が出るとどうしても隙間が目立ってしまいます。子供のことろは気にならなくても、思春期あたりから、前歯の悩みはとても深くなる人もいます。
しかしすきっ歯は、数ある「不正咬合(悪い歯並び)」の中でも比較的治療が容易な場合も多いです。
ここではそんなすきっ歯の悩みを解決する、前歯だけの矯正方法やその他の治療法をご説明していきます。
すきっ歯は、咬み合わせの種類でいうと、空隙歯列(くうげきしれつ)と言い、その中でも、前歯の空隙歯列を正中離開(せいちゅうりかい)と言います。
2016年の調査(※1)では、空隙歯列は日本人のおよそ10人に1人に見られる不正咬合で、珍しい咬み合わせではありません。しかし、症例にもよりますが、たとえすきっ歯でも咬み合わせの位置が正常であれば、特別に治療が必要ではないケースも多くあります。
それでも、正中離開の方にとっては、審美的なコンプレックスを感じ、口を開けて笑うことに抵抗を感じたり、見た目の問題で悩まれる方も大勢おられます。
※1)叢生のある者は約26%、歯列に空隙のある者は約10%であった。
すきっ歯には以下の問題点(リスク・デメリット)が挙げられます。
等など、諸々の問題はありますが、他の不正咬合に比べると、全体的なリスクはそれほど高くありません。しかし、正中離開の場合は「前歯」という目立つ歯のため、気になりやすい部位と言えます。
すきっ歯になるのは、先天的な原因と、後天的な原因があります。
遺伝・矮小歯・先天性欠如は先天的な原因ですが、習癖や突き上げは、後天的な問題で、徐々に症状として現れます。
日本の保険制度では、虫歯や歯周病などの疾患の治療や、歯が抜けたあとの入れ歯や金属によるブリッジなど、最低限の機能回復のための治療には適用されますが、審美的な回復が目的の治療に関しては、保険が適用されません。
すきっ歯治療は、不正咬合という悪い咬み合わせの治療ではありますが、現在のところ見た目の回復などの審美的な要素も含まれるということで、原則として健康保険の適用外となっています。
そのため、すきっ歯治療を希望される場合は、健康保険の適用がない自由診療の治療となります。
すきっ歯のみならず、不正咬合の治療に対しては歯列矯正が第一選択肢になる場合が多いです。もちろん、樹脂やセラミックによる治療が悪いわけではありませんが、理想の咬み合わせにするためには歯列矯正が最適な治療になることがあります。
また、すきっ歯に関しては「前歯だけを閉じるだけ」の場合もあれば、「全体的に歯を動かす」必要がある場合もあります。これによって部分矯正で治る場合や、全体矯正になる場合、半年程度で終わる場合や1年以上かかる場合もあります。詳細は、歯科医師の診断によって矯正治療の装置の選択肢や期間・費用は異なってきます。
アップル歯科の場合の治療費総額 部分矯正44万円〜 全体矯正の標準治療費93.5万円(自由診療・税込)
ダイレクトボンディングは、審美的な樹脂による治療です。樹脂というぐらいですから、材料そのものはプラスチックのような性質ですが、天然の歯に近い風合いや色味を出し、一定の強度を持たせることが可能です。
また、ダイレクトボンディングで最も患者様に喜ばれるのはその治療期間の短さです。ダイレクトボンディングだけであれば、最短1日で終了することもあります(検査・経過観察は別途必要となります)。そのため、結婚式や特別な日のために治療を急がれる方にとっては嬉しい施術となります。
しかしその反面、チップ(割れ・カケ)や脱離(取れる)のリスクがあり、何十年も持つような永続的な治療ではないという大きなデメリットもあります。
アップル歯科の場合の治療費総額 1歯3万3,000円〜 2歯6万6,000円(自由診療・税込)
ラミネートベニアとは、付け爪のようにセラミックのシェルを歯の表面に接着する治療です。通常、歯を薄く削り、歯の表面全体に薄いシェルを貼って歯の形や色を整える治療ですが、すきっ歯に関してはパーシャルラミネートベニアと言って、歯のすき間を埋めるための部分的なセラミックシェルを貼り付ける方法になります。
セラミックのため、ダイレクトボンディング(樹脂)に比べて強度と接着力が強く、歯の質感も天然歯に近い仕上がりとなります。しかし、形成や型取りを必要とするため、治療期間は2〜3ヶ月程度かかってしまうのと、被せ物と同程度の費用がかかるためダイレクトボンディングほど手軽にできる治療とは言えません。また、強度と接着力は強いと言っても、チップや脱離のリスクは少なからずあります。
アップル歯科の場合の治療費総額 1歯13万2,000円〜 2歯26万4,000円〜(自由診療・税込)
マウスピース矯正装置インビザラインGoにより、すきっ歯と開咬の治療例です。
Before
After
治療の内容 | インビザラインGoによる空隙歯列の歯列矯正。 |
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期間・回数 | 6ヶ月・7回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マウスピース型矯正装置(部分矯正) 税込440,000円 |
リスク・副作用 |
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レジンという樹脂による審美的なすきっ歯治療の症例です。
Before
After
治療の内容 | ダイレクトボンディングによる空隙歯列の審美改善。 |
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期間・回数 | 1週間・2回(カウンセリング+施術※検診通院中の患者様) |
費用 | 自由診療:ダイレクトボンディング×4歯 税込 132,000円 |
リスク・副作用 |
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ラミネートベニアとセラミッククラウンによるすきっ歯治療の症例です。
Before
After
治療の内容 | 左側中切歯(ラミネートベニア)・右側中切歯(セラミッククラウン)によるすきっ歯治療と審美改善。 |
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期間・回数 | 3ヶ月・7回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:ラミネートベニア×1歯+セラミッククラウン×1歯 税込 286,000円(当時の価格) ※現在の価格では264,000円(税込) |
リスク・副作用 |
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当院では現在、すきっ歯の治療に対しインビザラインGoという前歯用のマウスピース矯正を用いて治療することがかなり増えてきています。前歯用といっても、前歯だけを覆うマウスピースではなく上下顎全歯の歯を覆うマウスピースですが、6番と7番(奥歯2本)の歯を起点として1番〜5番の歯を動かすため、短期間で的確な歯の移動が可能で、しかも半透明で目立たず取り外しが出来るため、矯正中の患者様の負担やストレスの少ない矯正装置となります。
このインビザラインGoは、前歯のすきっ歯治療を得意としていますので、これまでならラミネートベニアで治療を希望されておられた患者様も、費用や期間に大きな差がないためインビザラインGoを選ばれたり、ダイレクトボンディングをされた患者様も「取れたら今度はマウスピース矯正をする」と言われている方もたくさんおられます。
それほど、手軽にできる矯正装置と言えます。
補綴物(ダイレクトボンディング・ラミネートベニア)による治療の場合、もっとも注意が必要なのが、チップや脱離です。近年では、歯科における接着の技術は相当高くなり、簡単には外れない接着剤や、高い強度を持った樹脂やセラミックなど、材料の質はかなり良くなってきています。
しかしそれでも、前歯が当たる咬み合わせや、咬合力の強い方、歯ぎしりや食いしばりがある方、食事などで前歯をよく使う方などはチップ・脱離のリスクは高くなります。
また、特にダイレクトボンディングは樹脂のため、着色しやすい材料となります。セラミックは、着色に強い材料ですが、接着面は特にステインなどが付きやすいこともあるため、念入りなセルフケアは必須となり、定期的な歯科でのメインテナンスが推奨されています。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正ですきっ歯を閉じたからと言って、それが一生涯続くと保証されるものではありません。矯正治療後の歯には「後戻りをする力」が働くため、保定装置をしっかり使わなければ、せっかく並んだ歯が少しずつ後戻りすることがあります。
後戻り対策にはリテーナーという保定装置を使いますが、それだけではなく、年に数回、後戻りの確認の意味を含めて歯科医師のチェックが必要となります。保定期間はおおよそ矯正にかかった期間と同程度の期間は最低限必要となりますが、保定期間は長いほど後戻りのリスクは抑えることができます。
保定を終了する際は、歯科医師の判断を仰ぐことを推奨します。
実際、すきっ歯治療をするとなると、あなたにとってどの治療が最適なのかは、あなたの現在の咬み合わせ・目的とするゴール・治療期間や費用によって異なります。
例えば、「来月結婚式の前撮りがあるから、何がなんでもそこ間に合わせたい」となると、選択肢はダイレクトボンディングのみになります。しかし、ダイレクトボンディングよりは長く持たせたい・きれいに仕上げたいならラミネートベニア、咬み合わせもしっかり治療するなら矯正治療となります。
また、あなたがどんな治療を希望しても、咬み合わせによってはそれに応じられない場合もあります。食いしばりや歯ぎしりがある場合は補綴(ダイレクトボンディングやラミネートベニア)による治療は適応外となり、奥歯の咬み合わせが悪い場合は部分矯正の適応外となります。
あなたにとってどんな選択肢があるかを知るには、歯科医師による診断が必要となります。
どんな選択肢があって、どんな特徴の治療で、どの治療にするかは、歯科医師と相談して決めましょう。あなたのご希望やご要望をしっかり伝えていただければ、歯科医師はそれらを考慮して治療の選択肢をご提案できます。
せっかく治療を決意しても思ったような結果を得られず、「こんなことなら別の治療にすればよかった」「こんな話は聞いていなかった」とならないよう、メリットだけではなくデメリットやリスクも踏まえて、どんな治療をするかご検討下さい。(参考:なぜ?「歯を矯正したらブサイクになった」)
当院では、治療の説明に加え、矯正であればシミュレーションも行った上で治療を検討していただいています。すきっ歯でお悩みでしたら、お気軽にご相談下さい。
すきっ歯の治療、前歯だけの矯正はできる? | 公開日: 2024/11/01 | 更新日: 2024/11/01 | by
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