八重歯とは歯列から飛び出して歯が重なり合っている状態のことを言います。叢生(そうせい)と呼ばれる歯がデコボコと重なり合ってしまっている不正咬合の中の一つです。
かわいいと表現される方もいらっしゃいますが、飛び出してしまっている状態は咬み合わせや口腔内の環境のことを考えるとかわいいだけではなくむし歯や歯周病の原因となったり、口腔内を傷つけてしまうリスクもあります。
反対にご自身の八重歯がかわいいと思わない方もおられます。子供の永久歯が通常とは違う位置から飛び出し始めていたり、歯がガタガタに見えるため気になったり、心配に思われる方のご相談も歯科医院には多く来られます。
ちなみに、八重歯という呼び方の由来は、八重咲や八重桜のように重なり合った状態を「八重」と言うため、そこから重なった歯を「八重歯」というようになったという説があります。
八重歯そのものが遺伝するわけではなく、顎の大きさや歯の大きさの遺伝が原因で八重歯になることです。顎が小さいと14本全ての歯が並びきるスペースが足りず歯列から飛び出し重歯となってしまう場合があります。歯が大きい方も同じく一つ一つの歯の並ぶスペースが足りず萌出する場所ではないところから飛び出してしまい八重歯となってしまう場合があります。
遺伝的特徴は、前頭蓋底部、上下顎歯列弓形状において著明であり、また、下顎骨体長、鼻上顎部高径にも認められた。
犬歯は永久歯に生えかわる順番が他の歯よりも遅いため、他の永久歯が犬歯の萌えるスペースを埋めてしまうことが原因で別の場所から飛び出してしまい八重歯となってしまいます。
実は、八重歯は厳密に言うと歯列から飛び出して歯が重なり合っている状態の歯を指しますが、このようなことが原因で犬歯=八重歯と思われる方が多いです。
他にも幼少期にむし歯などで早いタイミングで臼歯が抜けてしまい永久歯が早く萌出し犬歯が生えてくる前にそのスペースを埋めてしまう場合や、柔らかいものばっかり食べてしまったり、離乳ができなかったりやおしゃぶりが長くなってしまい顎が小さくなってしまった場合も八重歯の原因となる場合があります。
八重歯は見た目の問題だけでなく、様々な歯科的な問題を引き起こすことがあります。八重歯は歯列の並びから飛び出て、歯と歯が重なり凹凸ができるため食べ物が詰まりやすくなります。この凹凸のために歯磨きは難しくなり、ブラッシングが十分に行えない箇所ができてしまいます。そこにプラークや歯石が溜まることで、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
また、八重歯は咬み合わせに影響を与えることもあります。通常犬歯は咬み合わせおいて最も強い力を受ける役割を担っていますが、八重歯になるとその役割を果たすことができません。結果として、顎関節に負担がかかり、顎関節症の原因となったり、咬み合わせが悪いことで歯ぐきに圧力がかかり、歯ぐきの状態が悪化することもあります。
八重歯を放置することで、これらの歯科的な問題が悪化し、最終的には抜歯や根管治療などの大がかりな治療が必要になったり、咬み合わせの問題から八重歯以外の歯にダメージを与え続けることもあります。そのため、八重歯は早期の矯正が重要で、これらのリスクを解消することで、美しい笑顔とともに健康な口腔状態を維持することに繋がります。
歯科医院での治療は幼少期の段階で八重歯にならないように対策する方法と、八重歯となっている歯を治療する歯列矯正での治療することが一般的です。
犬歯は咬み合わせ上で重要な役割を持っています。歯根が他の歯よりも長く寿命も永いため、犬歯を抜歯する選択は口腔内全体の咬み合わせ上致し方ない場合や、犬歯がむし歯や歯周病により抜歯せざるを得ない場合などはっきりとした理由がない限りはありません。
八重歯を矯正するためには、歯の状態や原因を知ることで治療法は異なってきます。顎が小さく歯が並ぶスペースがない場合はスペースを確保する必要がありますし、他の歯が本来八重歯が入るべきスペースに移動してきてしまっている場合にはその歯を動かすことで八重歯を咬み合わせ上正しい位置に動かせる場合もあります。
ご自身の場合はどんな矯正治療の選択肢があるのか、部分的な歯列矯正で治るのか、全体的な歯列矯正が必要なのか、歯を少し削ってスペースを作る、もしくは抜歯も必要な歯列矯正が必要なのか等、担当の歯科医師や矯正医の診断を受ける必要があります。
単に歯列矯正と言っても、現在では多くの歯列矯正がございます。それぞれに特徴とメリットやデメリットが存在しますし、費用もかわってきます。八重歯の治療とはいえ八重歯だけを動かし矯正をするのではなく、全体的な咬み合わせなど口腔内の環境を考えて関係する歯を動かす必要があります。ご自身の希望と歯科医師や矯正医の診断の中でよく相談してどの歯列矯正で進めるかを選択してください。
マウスピース矯正は透明なマウスピースで目立ちにくく、取り外しが可能なため食事や清掃性にも困らず矯正治療を行うことができます。異なる複数枚のマウスピースを歯科医師に指定された期間交換しながらつけていくことで歯が徐々に動いていきます。
事前に現在から終了までのマウスピース矯正のシミュレーションをすることが可能で、もちろんご自身で見ることもできます。但し、歯のガタガタが激しい場合などマウスピース矯正では適応外になる場合もあります。
特徴は先程の全体矯正と同じになりますが、部分的に矯正を行うので全体的に歯を動かすよりも短期間で終了し全体矯正よりも費用が抑えられます。但し、前歯から5番目の歯までしか動かすことができませんので、奥歯も動かして歯列矯正をする必要がある場合は適応外になります。
マウスピース型矯正装置が台頭するまでは、ほとんどの歯列矯正はワイヤー矯正で行われていましたので多くの症例があります。抜歯が必要なケースではワイヤー矯正の方が得意な場合が多いです。
クリアや白のワイヤー矯正もありますがどうしても装置が見えてしまいます。八重歯の状況や全体の歯並びの状況とご自身の希望をしっかり伝え、歯科医師と一緒に治療方法を選択していくことが必要です。
歯の裏側(舌側)につける矯正装置です。歯の表面には何も付いていないので、見た目では矯正中ということがわからないほど目立ちにくい矯正装置です。但し、滑舌に影響を及ぼすため話しづらくなったり、痛みや不快感の症状が出る場合があります。
お子様向けの矯正(11歳ぐらいまで)で、顎の発育を促し、歯が並ぶスペースを作ることで良好な咬み合わせを作り、八重歯などの不正咬合にならないようにします。大人になってから歯列矯正する場合に抜歯が必要な症例でも小児の時期に矯正を行うことで抜歯のリスクを減らすことができます。
但し、お子様の顎の成長の予測は身長を予測するのと同じく難しいため、予想とは異なる場合があります。治療期間や計画の変更が必要な場合があります。
オフィスホワイトニングのご希望と左上3番の八重歯が気になりご来院いただいた患者様です。精密検査と口腔内のスキャンを行い矯正治療のシミュレーションと検査結果を合わせて診断していきました。ワイヤーによる歯列矯正とマウスピース矯正による部分矯正(インビザラインGo)と全体矯正(インビザライン)の治療についてご説明させていただきました。
部分矯正ではきれいに並ばないきらない箇所もあるため、全体矯正で目立ちにくいマウスピース矯正での治療を選択され治療を行いました。今回はオフィスホワイトニングがご希望でしたが、ホームホワイトニングの場合は矯正を行うマウスピースに薬剤を入れてマウスピース矯正と同時にホワイトニングが進行できますのでご希望の方はお気軽にご相談ください。
Before
After
Simulation Before
Simulation After
治療の内容 | マウスピース型矯正装置(インビザライン)による歯列矯正とセラミックインレー、精密根管治療、オフィスホワイトニングによる総合治療 |
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期間・回数 | 2年2ヶ月・30回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マウスピース型矯正装置(全体矯正)+精密根管治療×2歯+オールセラミックインレー×7歯+オフィスホワイトニング 総額 1,265,000円(税込 1,.391,500円) |
リスク・副作用 |
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小さい頃から通って頂いている患者様です。大きくなるに連れ、前歯の歯並びが特に気になりだしたということで、ご両親ともカウンセリングにお越しいただき、現状と今後についてしっかりお話させて頂いた結果、Ⅰ期治療(拡大床による骨格治療)で、少しワイヤーを使うだけで治療を進行していきました。
Before
After
治療の内容 | 拡大床による骨格治療 |
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期間・回数 | 3年・30回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:咬合育形成 総額 400,000円(税込 440,000円) |
リスク・副作用 |
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八重歯の原因の多くは、歯が並ぶスペースが足らないために歯列から歯が飛び出してしまうことが原因です。八重歯を矯正治療でキレイな歯並びにする場合は、八重歯が並ぶスペースの確保が必要になります。
スペースの確保には、主に2つの方法があります。一つは他の歯を抜歯して八重歯が並ぶスペースを作る方法。二つ目は歯を少し削るストリッピングという方法を用いて歯が並ぶスペースを作る方法です。
良くないのは、「八重歯を抜いてしまう」ことです。八重歯は犬歯といって、歯の根が長く、咬み合わせにおいて最も強い力を受ける役割を担っています。八重歯が邪魔だからといって抜いてしまうと、将来的に多くの歯を失う原因となってしまうこともあるので注意が必要です。
大きなスペース確保が必要な場合は、となりの小臼歯を抜歯して八重歯の移動先を確保する必要があります。健康な歯を抜歯することには抵抗がある方が多いですが、歯並びが整うことでむし歯や歯周病のリスクを軽減することができます。
スペースの確保が少なく済む場合は抜歯ではなく、他の歯の側面をコンマ何ミリとほんの少しだけ削り、スペースを確保することで、抜歯をすることなく八重歯の矯正を行うことができます。
一般的に、矯正治療の期間は2年〜3年程度が目安となりますが、年齢や咬み合わせの状況によってはそれ以上の期間になることも、それ以下になることもあります。
矯正治療の期間が長くなる要因の一つに、歯の移動速度があります。年齢が若い方が歯の骨格が柔軟であるため、矯正治療が比較的歯の動きが早くなります。かといって成人の場合劇的に遅くなるかというとそうでもありません。「若年層より遅い」というだけで、1ヶ月で0.3~0.5mm程度歯は動きます。
また、選択する矯正装置によっても期間は変わります。例えば、ワイヤー矯正は、歯の動きをコントロールしやす、インビザラインなどのマウスピース矯正には、苦手な動かし方もあります。どちらが早いというのは咬み合わせによっても異なりますが、ワイヤー矯正の方が早い場合もありますが、マウスピース矯正の方がアライナーの枚数があるため、期間は読みやすいと言えます。
矯正の治療期間を短くするには、矯正治療に対する患者様の協力も重要です。定期的な通院や矯正器具の正しい使い方、口腔ケアの徹底など、患者様自身が積極的に治療に協力頂くことで、計画通りに歯を動かすことができます。
マウスピース矯正を行う場合、専用の機械を導入している医院ではお口の中をスキャンするだけでマウスピース型矯正装置を行った後のシミュレーションを3D画像で確認できたり、マウスピース矯正装置を作っているインビザライン社には笑顔の自撮り写真から矯正後の笑顔を確認できるサイトもあります。
現在の笑顔と矯正後の整った歯並びの笑顔を見比べてみたり、歯科医院でシミュレーションをしてみたいという方はお気軽にご相談ください。費用や期間についても選択肢ごとにご説明いたします。
当院では無料の矯正相談を実施しておりますので、八重歯のリスクや抜歯の有無、どんな治療方法を選択できるのか等、治療計画を患者様の希望にも寄り添いご提案いたします。
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