- Q審美、見た目の回復にはどんな治療があるの?
- A日本審美歯科協会(※1)によると、以下のものが挙げられています。
・オールセラミッククラウン
後述するセラミックスによる被せ物のこと。天然の歯の色味と質感に近い被せ物です。
また被せ物だけでなく、部分的に修復するセラミックインレー、セラミックアンレーという修復方法もあります。
・ラミネートベニア
セラミック(陶器)を付け爪のように薄くし、歯の表面に貼る治療。
歯をあまり削らないため歯に優しく見た目も天然の歯に近づけることが可能ですが、適応症例がオールセラミッククラウンに比べて限られます。
・メタルボンド
セラミックを金属のクラウンの表面に焼き付けたもの。耐久性は高いですが内部に金属のフレームが入るため透明感や色調がオールセラミッククラウンに比べて劣ります。
・クリーニング
普通の歯磨きでは落ちない汚れや着色を歯科医師、歯科衛生士が専門的な道具を用いて行う歯の清掃です。
・ホワイトニング
特殊な薬液を使って、歯自体を白くする方法。自宅で行うホームホワイトニングと、歯科医院で行うオフィスホワイトニングがあります。
- Qセラミックってなんなの?
- Aセラミックとは、一般的に、“金属や非金属を問わない、無機物の固体材料”です。用途としては、陶磁器、ガラス、セメント、石膏、炭素製品、耐火物、etc… などといったものに用いられています。日常でいうと陶磁器やガラスはもちろん、トイレやコンビニや駅の床や壁にもセラミックが用いられています(※2)。
そして歯科にセラミックスが登場したのは今から2世紀以上も前と言われています。天然の歯に近い、色味と質感を持った材料であるため、現在歯科治療に置いて幅広く用いられています。
時代が進むにつれて材料の性質が良くなってゆき、それに伴い歯科医師、患者ともに臨床的な信頼性、満足度も上がっていき現在に至っています(※3)。
- Qセラミックの悪い所ってあるの?
- A最大の欠点は“脆弱性があること”です。物性的に衝撃力、引張強度が弱いという欠点があります。
ただし現在の歯科で使用するセラミックは高強度化が進み、機械的強度は著しく向上しています。
“強く噛む力がかかる部分”でなければかなりの範囲で適応は可能です。
メリット、デメリットを列挙しておきます。
メリット
・審美的に極めて優れている
・身体に害が極めて少ない(生体親和性が高い)
・吸水性がなく、着色、変色しない
・熱や電気を通しにくい
デメリット
・衝撃力、引張強度が弱い
・金属で治す場合に比べて歯を削る量が少し多い
・一般的に費用が高いことが多い
- Qセラミック矯正という言葉を聞きました。短期間で歯が白く綺麗に矯正できると聞いたんですがどうですか?
- A歯並びが悪いけど矯正するのはちょっと、、、という方のために“今ある歯を削ってセラミックをかぶせて歯並びを治す”というセラミック矯正が流行っているみたいです。患者様によって主訴は様々であり、それを解決するための方法も様々です。メリット、デメリット、適応できるかできないかなど考えなければいけない部分がたくさんありますので、もしセラミック矯正を考える際は周りの人にも相談し慎重に決断しましょう。当院では、咬み合わせの整合性が取れないセラミック矯正は行なっておりません。
メリット
・短期間で歯並びが良くなったように見える
・矯正治療の時に用いる複雑な装置がいらない
・歯の色味、形を変えることができる
デメリット
・健康な歯を削ったり、場合によっては歯の神経を抜かなければならないことがある。神経を抜いた歯は寿命が縮む。
・歯の位置や向きは変えれないため、無理な方向にセラミックを被せた結果セラミックが割れることがある。
・セラミックの色は変わらないが天然の歯の色は変わるので、結局前歯だけが不自然になる可能性がある
- Q前歯の被せ物の付け根が黒いのですがなぜでしょう?
- A被せ物やその土台となる歯に金属が用いられているからです。
被せ物をやりかえれば解決する場合もありますが、土台自体の色が悪かったり、歯茎が薄い方ですとその辺に対しての対応も必要になってくる可能性があります。ぜひご相談ください。
※1 審美歯科の治療メニュー
※2 狭い意味でのセラミックスの定義は非金属無機質の焼結体である。
※3 オールセラミック修復の適合精度と臨床評価として5年予後を0から中央点、つまり10点満点で評価